取引所情報
東商取:米ICE(インターコンチネンタル取引所)、日本で電力先物の上場を始めた(9日)
2024-12-23
0

ICEは東京と関西、ベースロードとピークロードの組合わせで計4つの商品を上場。
午前9時50分から、欧米市場が取引する翌朝の午前8時までを1日として取引する。当分の間は1カ月物のみ約3年先までの取引を予定。ブローカー経由など市場外での相対取引の当初清算(クリアリング)のみを提供、順調に流動性が拡大した段階で電子取引への移行も検討する。初日の9日は日本時間午後5時時点で成約はなかった。
ICEが拡大を狙うのが、LNG(液化天然ガス)や原油などの燃料の先物と電力先物を同時に使う事で、発電の利益を固定する「スパーク・スプレッド」取引。LNGなどを調達して発電する電力会社が、LNG先物を通じて買値を固定すると同時に電力先物で売値も固定する事で、その後に燃料の急騰や販売価格の下落が起こっても、発電から得られる利益を固定できる。
ICEは原油取引の指標の1つとなっているブレント原油先物や、日本などアジア向けLNGの指標である「JKM(ジャパン・コリア・マーカー)」先物を上場するなど燃料の取引に強みを持つ。日本の大手電力の多くは既に燃料のヘッジなどのためにICEで取引している。新たに上場した電気を同時に取引した場合、必要となる証拠金の一部が相殺される。