世界最大の石油メジャー・エクソンのダレン・ウッズCEO、22年1-3月期の決算発表「サハリン1の操業を止めようとしている」と話し、34億㌦の損失を計上した事を明らかにした(29日)
2022-05-02
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同社は27日までに売手への出荷義務を免れる「フォースマジュール(不可抗力)」条項も宣言。既にサハリン1からの撤退を表明していたが、30%保有する権益の譲渡先は未定という。ロイター通信はインド政府が権益取得に関心を示していると報じた。世界最大の石油メジャーにとっては小さい事業かもしれないが、資源小国の日本にとっては一大プロジェクト。政府はロシアの資源開発への参加を呼び水に北方領土交渉を促進しようとしてきた歴史もある。
サハリン1は05年に生産を開始、21年には日量約20万バレルの生産量があった。エクソンのほか、日本勢はサハリン石油ガス開発(東京・港)を通じて30%の権益を持つ。サハリン石油ガス開発には経産省、伊藤忠商事、石油資源開発、丸紅、INPEXが出資。この他に、ロシア国営石油ロスネフチとインドの石油天然ガス公社(ONGC)が20%ずつ出資している。日露協力の象徴的な案件だったロシア北極圏でのLNG開発事業「アークティックLNG2」についても、仏トタルが4月28日に損失の計上を発表。プイヤネ同社CEOは同日「追加リスクが浮上した」と言及。
EUが4月8日、LNG技術の輸出を禁止した事などを考慮したという。ロシア事業の損失額は41億㌦で大半をアークティック2が占める。