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OPEC加盟国を価格操作で提訴する権限を米政府に付与する「石油生産輸出カルテル禁止(NOPEC)法案」の成立に向けた動きが米議会で再浮上
2018-10-22
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サウジアラビア人著名記者がトルコで行方不明になった問題を機に、法案は息を吹き返した。共和・民主両党の有力議員が法案を支持しており、サウジに対する脅しとしての目的を果たすかもしれない。しかし米国の石油生産企業としては、OPECが供給を抑制して石油価格を高く維持してくれた方が助かる。多くの米石油生産企業は、油価の上昇によって首をつないできた。OPECが2年前に日量100万バレル以上の生産削減で合意して以来、北海ブレント油の価格は75%ほど上昇して1バレル=83㌦前後になっている。米上院小委員会が先週実施した公聴会で、石油生産輸出カルテル禁止(NOPEC)法案」が再浮上。法案は、米連邦反ヨラスト法の下で、石油生産の談合を違法行為とすると共に、OPEC加盟国を提訴から守ってきた「主権免除」を撤廃する内容。この法案のあるバージョンは2000年からたびたび検討され、2007年には類似の措置が上下両院を通過したが、ジョージ・W・ブッシュ元大統領が拒否権をちらつかせたため廃案となった。