原油価格の上昇と需要増加に伴い、アジア諸国の石油購入コストが今年は1兆㌦を超え2015、16年の2倍近くに達し、経済の重圧になると予想
2018-05-28
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北海ブレント価格は1月から約20%上昇、17日には一時、1バレル=80㌦を超えた。大半の石油取引に使われるドルの相場が上昇している事もあり、石油を輸入に依存するアジアを中心に、経済に打撃が及ぶとの懸念が高まっている。業界データによると、世界の石油消費量は日量1億バレルで、内35%以上をアジア太平洋地域が占めている。一方、アジアの石油生産量は世界全体の10%に満たず、地域別で最も少ない。アジア内と世界全体の双方で最大の石油輸入国は中国。4月の発注量は日量960万バレルと、世界全体の消費量の10%近い。現在の価格で計算すると、中国の石油輸入代金は1日7億6800万㌦、月230億㌦、年間では2800億㌦に上る。RBC(カナダロイヤル銀行)キャピタル・マーケッツは今月のノートで「石油価格の急上昇で最も痛手を被り易いのはアジア」と指摘した。調査機関の数字によると、インド、ベトナム、フィリピンのような途上国では、燃料費が平均的な家計所得の8-9%程度を占める。日本や豪州のような富裕国ではこの割合が1-2%どまり。RBCは「アジアは将来のオイルショックから身を守るため、石油への依存を減らし、エネルギー効率を高める事が非常に重要だ」との見解を示した。