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米金融当局、金融システム不安の未然防止に動いた(12日)
2023-03-20
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シリコンバレーバンク(SVB)など破綻した米銀2行に関し預金を全額保護すると発表、預金流出の広がりを防ぐと共に、銀行への資金貸出しも拡充する。
金融緩和下のカネ余りで潤った米ベンチャーと銀行が負の共振に陥った。急速な金融引き締めが米経済の弱点をあぶり出している。
SVBと、NY州金融監督当局が12日付で事業停止を公表したシグネチャー・バンクの預金を全額保護の対象とする。米国ではドッド・フランク法(金融規制改革法)で預金保護の上限は25万㌦と定められている。
ただ金融不安に繋がりかねない場合に米連邦預金保険法(FDI法)に例外規定があり、米財務省や米連邦預金保険公社(FDIC)、米連邦準備理事会(FRB)が協議しこの例外規定の適用を決めた。FRBは流動性供給で支援する。
「銀行タームファンディングプログラム(BTFP)」を新設し、金融機関を対象に、米国債や住宅ローン担保証券を担保として最長1年の融資をする。融資期間を従来からある連銀貸し出しの3カ月から1年に延ばし、経営を安定させる効果を高めた。FRBが「最後の貸し手」となって金融システムを守る機能を拡充する。
バイデン大統領は13日朝の演説で「米銀行システムは安全」とし「議会や規制当局には銀行に対する規制を強化するよう求める」と表明した。物価抑制を優先してきた金融政策は難局にある。3月のFOMCの利上げ幅について0.5%の市場予想が後退し0.25%に傾いた。利上げ見送り観測さえ出ている。