岸田総理、黒田日銀総裁の後任に、元審議委員で経済学者の植田和男氏を指名した(9日)
2023-02-13
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2人の新たな副総裁を含めたバランスの取れた布陣からは、政策の継続性と市場の安定確保を図りつつ、過度な緩和策からの修正を慎重に進めたい政権の意向がにじむ。
次期総裁に植田氏を起用するとの報道を受けた直後の金融市場は、予想外の人選による金融政策運営の不透明感の強まりが意識され、円高・債券安・株安で反応したが、間もなく冷静さを取り戻した。
植田氏が10日夜、記者団に対し現在の日銀の金融政策は適切として「現状では金融緩和の継続が必要だ」と発言し、早期正常化への警戒感は後退した。
黒田体制下の大規模緩和に関与していない植田氏が舵取りを担う事で、金融政策の点検や検証に対するハードルが下がる可能性もある。
現在の政策委員会メンバーでは、田村直樹審議委員が点検・検証を行う事が適当と既に表明している。
新体制で初めて臨む4月27日、28日の金融政策決定会合は、市場が今年注目する最大のイベントの1つとなる可能性がある。