中露両政府は会談に合わせ発表した共同声明で、NATO拡大に反対の立場を表明。ロシアがNATO加盟を目指す隣国ウクライナに軍事圧力をかけ情勢が緊迫する中、対米共闘姿勢を誇示した。共同声明は、米主導の対中包囲網に反発する中国の立場も反映。「アジア太平洋での閉鎖的なブロックや敵対的陣営の形成に反対する」と強調、「米国のインド太平洋戦略が地域の平和と安定に与える負の影響を強く警戒する」とした。
更に声明は、米英と豪州の安全保障枠組み「AUKUS」に深刻な懸念を示し。アジア太平洋と欧州での中距離ミサイル配備計画を放棄するよう米側に求めた。ロシアは台湾独立に反対する立場も明言した。又、中国へ天然ガスを追加供給する事でも合意し、天然ガスをロシアに頼る欧州を揺さぶった。結束を深める中露に対抗するため、日米欧の連携が焦点となる。新型コロナウイルスの世界的感染拡大で外遊を控える習氏とプーチンの対面会談は2019年11月、ブラジルで行われて以来。両氏はマスクもせず、親密な対話を行った。