大阪取:国際調査機関のWGC報告
2021-04-26
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2021年1-3月は95億㌦(約1兆円)が、世界の金ETFからの流出超過となった。四半期で13年4-6月以来の大幅流出となった。景気回復への期待から、低リスク資産とされる金を手放す動きが鮮明になった。
米国の長期金利上昇も金離れに繋がった。世界の金ETFが保有する金現物は20年10-12月に比べ178トン(5%)減った。3月時点の残高はピークをつけた20年10月より8%少ない3,574トン。金額ベースでみても1,945億㌦とピーク(20年8月)より19%少なく、11カ月ぶりの低水準。
新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいる事などで、落込んだ世界景気の持ち直し観測が広がった。20年8月に過去最高値をつけた国際指標のNY金先物価格は、21年3月に1トロイオンス1,700㌦の大台を再び割った。この間の下落率は20%に達する。
一方で地域差もある。3月は北米と欧州で大幅な流出超過となった一方、アジアは前月比で残高が7トン増えた。金相場の下落で割安感が意識され、長期保有を目的とした買いが入っているもよう。特に世界の宝飾品用の金消費で6割を占める、中国とインドで需要が拡大している。