米政府は国内の通信会社で使われる中国ファーウェイ製品を排除する取組みを始める。
2021-02-22
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19億㌦(約2,000億円)を手当てし、機器の撤去や取り換えにかかった費用を肩代わりする。トランプ前政権の中国企業への強硬姿勢が、バイデン政権でも継続する。米連邦通信委員会(FCC)は17日、公開会合を開き、ファーウェイとZTE(中興通訊)の製品を取除くための実施規則を決める。対象は通信会社が使う基地局の制御機器や無線装置など。撤去や廃棄、代替製品の購入にかかった費用を政府が負担する「返済プログラム」を設ける。2020年12月に成立した予算に含まれた19億㌦を活用する。米通信会社は申請して条件を満たせば、費用を受け取れる。新規則では利用者が1,000万人以下の通信会社を支援の対象とする方向。政府の補助金を受け取る通信会社が中国2社の製品を使うのも禁じる。手続きや設備投資に今後2年以上かかる見通し。日本勢でもNECや富士通、楽天モバイル、NTTなどが、異なるメーカーの基地局製品を組合せて使える「オープンRAN」を推進する。通信網の整備で世界大手のファーウェイが抜けた穴に日本勢が食い込む可能性もある。米国議会では与野党問わず中国企業に警戒を強めている。トランプ前政権はファーウェイへの事実上の禁輸措置を発動するなど強硬姿勢を貫いた。バイデン政権でも大きな流れは変わらない。中国も対抗措置を講じる可能性がある。英紙FTは16日、中国はレアアース(希土類)の輸出規制を検討していると報道。レアアースは米最新鋭ステルス戦闘機F35などの生産に不可欠で、米国は輸入の8割を中国に依存している。