金融・経済ニュース
イエレン前FRB議長、ブルッキングス研究所のボッドキャストで発言(19日)
2019-02-25
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イエレン氏は、中国による為替操作を防ぐのは、米通商交渉担当者が考えるよりも難しいかもしれないとの考えを示唆した。
各国・地域の中央銀行が経済安定化に用いる手段の幾つかが、為替レートの下落にも繋がる事がその理由。その結果、無害な金融政策と区別する形で為替操作を定義するのは通商交渉担当者には至難の業となりかねない。だが、米国は中国に対し、人民元安を招いて対中輸入関税の効力を相殺するような措置を控えるよう要請しているとされる。
世界の2大経済大国の貿易戦争終結に向けた協議は、3月1日の期限までの合意を目指して今週も続けられる。ある国が通商上の優位を目的に為替操作に従事しているケースを「定義するのは非常に困難でリスクが伴う」とイエレン氏は話す。イエレン氏は、経済危機後に米金融当局が多額の資産購入を行っていた当時には特に、米国自体が「通貨戦争」を始めたとして非難を浴びた事実を挙げた。量的緩和策は長期金利の押下げを狙ったものだが、新興市場国通貨に対してドルを下落させる事にもなった。
「金融政策はその国の為替レートにシステマチックな影響を及ぼすが、そうではあっても国内目的のために利用可能であるべきとの点で広範な合意があると考える」とイエレン氏はコメント。「このため、国内向けの政策手段を為替操作と定義してしまう事のないよう注意したい」と語った。