FRB、金融機関に高リスクの自己勘定取引を禁じた「ボルカー・ルール」の一部を緩和する改正案を提案(30日)
2018-06-04
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ボルカー・ルールは金融危機の再発を防ぐためにオバマ前政権下で整えたドッドフランク法(金融規制改革法)の中核。預金者のお金をリスクの高い取引に投じないよう、銀行に自己勘定の取引やファンドへの出資を厳しく制限している。今回は法律の基で当局がつくった規制の一部を変える。ルールは顧客との取引で必要な売買までは禁じていないが、基準が曖昧な上、金融機関側がルール違反ではないと証明する必要がある。事務負担が膨大になり、金融機関の不満が募っていた。今回は基準を見直し、必要な取引を手がけ易くする。一定規模までの取引は金融機関が自ら管理する。取引規模に応じて金融機関を3つのグループに分ける新たな仕組も導入する。大規模な金融機関にはルールを厳格に適用する半面、取引の小さい一部の小規模機関には多くの義務を免除する。それでもルール自体が緩むため、大金融への恩恵も大きくなる。米議会は今月、中堅以下の負担軽減を念頭に現行法の一部を見直す金融規制の緩和法案を可決、大統領の署名を経て成立した。こうした法改正の作業と並行し、当局もルール変更を通じた規制緩和を進めている。今回はFRBが米連邦預金保険公社(FDIC)や米証券取引委員会(SEC)など、ルールを共管する当局と共に作業してきた。一般からの意見を募った上で、最終決定する。